太輪ふとわ)” の例文
丁度九月十一日で、余程寒いから素肌へ馬の腹掛を巻付けましたから、太輪ふとわ抱茗荷だきみょうがの紋が肩の処へ出て居ります、妙な姿なりを致して
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
色の白い愛嬌あいきょうのある円顔まるがお、髪を太輪ふとわ銀杏いちょう返しに結って、伊勢崎の襟のかかった着物に、黒繻子くろじゅすと変り八反の昼夜帯、米琉よねりゅうの羽織を少し衣紋えもんはおっている。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
自動車の太輪ふとわ砂塵さぢんもうもうとたちけむりつつ道のの桜
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
それを二つ合せて萬屋の萬の字を附けたのが始りだと申しますが、不粋ぶいきな紋もありますが、僕のは太輪ふとわにして中を小さくても抱茗荷だきみょうがはいけません
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)