“大(た)” の例文
捉(とら)うる処法に合(かな)えば、門番は立竦(たちすくみ)になりて痛疼(いた)さに堪(たま)らず、「暴徒が起った。大(た)……大……大変、これ、一大事じゃ、来てくれい。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人々は、鬼といえば大(た)いてい木で造ったような物体と考えると思うが、われわれと同じ肉体の感じを持った鬼を見た人はあるまい。
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
目下、『日日新聞』夕刊に載(の)っている田中貢太郎(たなかこうたろう)氏の「旋風時代」には金瓶大黒として、時の高官たちの遊興ぶりを書いてある。事実その遊びぶりは大(た)いしたものであったらしい。
「大(た)、大(た)、大変です。もし、御前様が御自害じゃ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)