大徳だいとこ)” の例文
むかし快庵禅師くわいあんぜんじといふ大徳だいとこひじりおはしましけり。総角わかきより教外けいぐわいむねをあきらめ給ひて、常に身を雲水にまかせたまふ。
むかし快菴禪師くわいあんぜんじ大徳だいとこひじりおはしましけり。總角わかきより教外けうぐわいむねをあきらめたまひて、つね雲水うんすゐにまかせたまふ……
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
終日佛間ぶつまにいて、冥想めいそうふけるとか、看経かんきんするとか、何処かの貴い大徳だいとこを招いて佛法の講義を聴聞ちょうもんするとか、云うような日が多くなったので、乳人や女房たちは愁眉しゅうびを開いて
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
まる山のをとめも比叡の大徳だいとこも柳のいろにあさみどりして
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
此の山は九四大徳だいとこひらき給うて、土石草木どせきさうもく九五れいなきはあらずと聞く。さるに九六玉川のながれには毒あり。人飲む時はたふるが故に、大師のよませ給ふ歌とて