大幟おおのぼり)” の例文
そして麓町まで来ると「太原之たいげんの力士、擎天柱けいてんちゅう任原じんげん茲有ここにあり」と大幟おおのぼりが立ててあり、幟の下には「コブシハ南山ノ虎ヲ打チ。脚ニ北海ノ蒼龍ソウリュウヲ蹴ル」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからいくらも経たない後、両国の見世物小屋の屋根から高く釣り下げられた大幟おおのぼりに、赤地に白く抜いて
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一、壮大を好む者総ての物に大の字を附して無理に壮大ならしめんとするは往々徒為といに属す。その物已に小ならば大の字を附して大ならしむべし。大牡丹、大幟おおのぼり、大船、大家等の如し。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
祖父の母は歌人うたよみで、千町ちまちといったというのだが、千町とは聴きあやまりであったのか、千蔭ちかげの門人にその名はないという。祖父も手跡はよく、近所の町の祭礼の大幟おおのぼりなど頼まれて書いた。
九鬼右馬允の乗っている大船には、熊野権現くまのごんげん大幟おおのぼりと日の丸がひるがえっていた。名づけて日本丸とよぶそれは、どう七間たて十数間という熊野船だった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)