大乗だいじょう)” の例文
旧字:大乘
世界における大乗だいじょう仏教国は、今日においては我が日本帝国とチベット国のみであるというてもよい位であります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
やがて、氏は大乗だいじょう仏教をも、味覚しました、ここにもまた、氏の歓喜的飛躍ひやくいちじるしさを見ました。
印度舎衛しゃえ国王波斯匿はしのくと、摩利夫人まりぶにんとの間に生れて、阿踰闍あゆしゃ国王に嫁した勝鬘夫人ぶにんが仏教に帰依きえした、その説示だという、最も大乗だいじょうの尊さを説いたもので、わが聖徳太子も
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ないという証拠はかつて千三百年前に印度インドから……ここに島地黙雷しまじもくらい先生もおられるが、印度インドから大乗だいじょうとか天台とかいうような実に驚くべき高尚な哲学が日本に導かれた時に
この此岸から彼岸へ渡る場合に自分ひとりで渡るか、それとも大勢の人々といっしょに渡るかということにおいて、自然ここに、「小乗しょうじょう」と「大乗だいじょう」との区別が生じてくるのです
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
こんな安い大乗だいじょうの茶を飲んで、朝から瓶盞へいさんの仁となっていられた父は幸福であった。
酒渇記 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
そろそろ西洋崇拝を脱却して、逆に東洋から西洋へ贈物を届けてよい。私の考えでは二ツの面で充分それが果せる。第一は大乗だいじょう仏教の宗教思想において、第二は東洋藝術の特質において。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
大乗だいじょうの、大雅たいがなものだ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)