士人しじん)” の例文
そのなかで山陽さんよう地方の士人しじんふたりも帰郷の途中、淮揚わいようを通過して北門外に宿ろうとすると、宿の主人が丁寧に答えた。
しかるに今その敵に敵するは、無益むえきなり、無謀むぼうなり、国家の損亡そんもうなりとて、もっぱら平和無事に誘導ゆうどうしたるその士人しじんひきいて、一朝いっちょう敵国外患がいかんの至るに当り
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
『卜養狂歌集』を見るに当時士人しじんの狂歌を愛吟したる消息を知るに便なるものあり。狂歌は当意即妙を旨としてしばしば寒暖応答の辞に代へられたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
就中なかんずく、周の封建の時代と我が徳川政府封建の時代と、ひとしく封建なれども、その士人しじん出処しゅっしょを見るに、支那にては道行われざれば去るとてその去就きょしゅうはなはだ容易なり。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)