壜詰びんづめ)” の例文
別にバター一杯でメリケン粉一杯を黒くいためてスープ一合と壜詰びんづめのトマトソース大匙二杯を加えたソースで今のマカロニを一時間煮ます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
つるが長く/\延びて居た。この辺へも、人はどよみをつくつて居る。大きな乳房の胸をあらはに一人の女が店頭みせさきに、壜詰びんづめの酒を日に透して見て居た。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
壜詰びんづめ罐詰かんづめ、その他の箱詰があり、浦賀奉行への贈り物があったが、これらの品々は江戸へ伺い済みの上で、浦賀の波止場で焼きすてたくらいだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
友達がおかみさんを呼んで、一杯いただきたいが、おそくて迷惑なら壜詰びんづめを下さいと言うと、おかみさんは姉様あねさまかぶりにした手拭を取りながら、おあがんなさいまし。
雪の日 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「それ見たか、あんな三味線だって、壜詰びんづめ二升ぐらいな値はあるでござんさあ、なあ、旦那方。」
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一杯売りをするのは生ビールといって、たるで来るから一杯ずつでも売れるが、壜詰びんづめはあけてしまえばあとがかんのんさまだから一杯だけ売るわけにはいかないのだ、と女が云った。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
下りる荷物が二十三個でその半分が米、三分の一はサイダーや東北正宗の壜詰びんづめ、それから客が一人、その客はもう小舟に飛び込み、うねりの中でしきりと積み下しの手伝いをしている。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
一杯売りをするのは生ビールといって、たるで来るから一杯ずつでも売れるが、壜詰びんづめはあけてしまえばあとがかんのんさまだから一杯だけ売るわけにはいかないのだ、と女が云った。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それは最初鍋で大匙一杯のバターを溶かしてコルンスタッチ即ち玉蜀黍もろこしの粉一杯をいためてその中へ壜詰びんづめの赤茄子ソースと牛か鳥のスープを加えて塩と唐辛の粉を混ぜたものです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「どうです、いっそここへしゃがんで、壜詰びんづめの口を開けようじゃありませんか。」
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
別に玉葱を半分位細かく切ってバターでいためてその上へメリケン粉大匙一杯を加えて狐色になるまでり付けてスープ一合と壜詰びんづめのトマトソース大匙三杯を加えてよく掻き混ぜます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
いい加減に入れてまたいためて今度はチャツネーといって甘漬あまづけ菓物くだものが色々入れてある壜詰びんづめの物と細かく切った胡蒜にんにくかあるいは玉葱とココナツの細かいのとをい加減に入れてカレー粉を
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それを鍋から出したらあとの鍋へバターを少し加えてメリケン粉を大匙一杯いためてスープを二合注します。この時もし壜詰びんづめのトマトソースがあればそれを大匙一杯加えるとなお良いのです。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
これにも壜詰びんづめのトマトソースを大匙一杯加えるとなお美味おいしくなります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
壜詰びんづめのトマトソースを用ゆれば便利あり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)