増花ますはな)” の例文
「怨めしきは判官殿、わたしを恋死にさせながら、あなた様にはノンキらしく、ほかに増花ますはなの女をつくり……口惜くやしい——ッ」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何か他に増花ますはなでも出来て居て、他の座敷へ隠してあるのではないか、左様そうして見ると先刻さっき見た書棚の廻り階梯ばしごの降り口のあったも怪しいが、はてな
盡されしとはつゆ程も知らざればほか増花ますはなの出來もやせしかもし御煩おわづらひでも成れはせぬかと山口巴の若い者や女中ぢよちうに樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お雪には、モルガンに、他に増花ますはなが出来たといううわさがたつことが、何よりもつらいのだった。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
(他に増花ますはな出来たからは、彼奴きゃつそれくらいのことやるだろうよ。殺されてはつまらない)
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
其所そこへ別荘をたてると申して出ました切り手紙を一通送ってよこさず、まるで音信おとづれがございませんから、悋気ではございませんが、万一ひょっとほか増花ますはながあってわたくしあきが来て見捨てられやしないかと
「うん、増花ますはなが出来たからよ」
隠亡堀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「お前さん、増花ますはな作ったね」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)