墓所ぼしょ)” の例文
「できることなら、このかがみを、もとの墓所ぼしょにうずめてやりたい。」と、いったわか助手じょしゅのねがいを、考古学者こうこがくしゃである博士はかせは、ついにゆるしたのでした。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼は人に姿を見られるのもいとうように、スタスタと足早に立ち去った。園内の反対の側にのこされたる藤堂家とうどうけ墓所ぼしょがあった。そこは鬱蒼うっそうたる森林に囲まれ、厚いこけのむしたしんに静かな場所だった。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)