うづた)” の例文
日本大辞林が就中なかんづく威張つて見ゆれども、著者のひが目には『あこがれ』もつとも目につく。これらのうづたかき中に、クミチンキと貼札したる薬瓶あり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
家のぐるりにも屋根の上にも雪がうづたかく積つてゐた。彼は寒さに凍えた手をあげて、トントンと戸を叩きながら、娘に向つて戸を開けろといかつく呶鳴つた。
卓子の上へうづたかく積み重ねられた黄色い紙の納税告知書を見やりながら言つた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
うづた死屍しかばねうへを×(14)つかれてすゝんだ
來客の後と見えて、支那焼の大きな菓子鉢に、マシヨマローと何やらがうづたかく盛つて、煙草盆の側にあるのが目に附く。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
我之をひもどきてさながら永年相見ざりし骨肉の兄に逢ひたる様の心地したり。この書を読みて俄かに往時の恋しさ堪へがたく、漸やく探し出したる少年時代の歌稿文稿またこの机上にうづたかく積まる。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
積まれたり、いとうづたかく。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)