基督きりすと)” の例文
世間では其論策の内容をあやまり伝へて、廃帝を議したなどゝ云つたり、又洋夷と密約して、基督きりすと教を公許しようとしてゐるなどゝ云つたりした。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
塾というのは片山という基督きりすと教信者が開いているのでもとは学校の教師をしていたのが、文部省の忌憚に触れて、それからはもう職を求めようともせず
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
基督きりすと兵卒へいそつなり、兵卒は其時そのとききたまでなにをなすべきかを知らず、しゆめいならん乎、高壇かうだんつ事もあるべし、官海くわんかいたうずるやもはかられず、基督信者は目的もくてきなき者なり
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
井のかたはらなる壁に基督きりすとサマリヤの婦人をんなに語り玉ふ小さき画額を掲ぐ。
父母に伴はれてエルサレムよりの帰るさ、弟子を伴ふてユダヤよりの帰途、基督きりすとは如何に其なつかしき、つれなき程なほなつかしき其ふるさとをば眺め玉ひけむ。おゝあれがナザレか、近いかなナザレ。