)” の例文
この夫人にそういう淡泊な処もあるので随分突飛な事やつこい目に時々遇っても新吉は案外うるさく感じないで済んでいる。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それが此通り消え細る迄にやお上の仕打ちも随分と思ひ切つてごいには酷ごかつたが、片つ方も、亦つこいとも執つこいもんぢやつた。
「一頃は、そんなこともありました。でも近頃平野屋の若旦那は、許嫁いいなずけのお嬢さんと、いよ/\祝言することに決り、お園さんがつこく絡みつくのを、ひどく嫌がって居ました」「——」
『あの裁判長はどうしてあゝつこくあの事を聞くのだらう?』
ある女の裁判 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
「ははあ警察の人達は夫れが大事だと云いましたかな。それではあなたから聞こうとしてつこくお尋ねしたでしょう。私にさえ有仰らないあなたですから、勿論その時其連中には恐らく何も有仰らなかったでしょうね」
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)