)” の例文
其原始的の用途を考へることが出来るので、かの大嘗会の纛幡タウバンの竿頭の飾り物も、後世のは籠をとして黒鳥毛を垂したものである。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
山岸に、昼を 虫の鳴き満ちて、このしづけさに 身はつかれたり
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
かうした「立謡タチウタ」はかけあひから出発したもので、時々は太夫の舞の「謡」にもなり、合唱の形をもとる様になる。
江戸歌舞妓の外輪に沿うて (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「義理も法も聞く耳持たぬ」と謂つた情熱の女を表現するといふ意味ではない。さうしたの生活を持つて生きて行く女となつて居たといふことである。
其につれて呪言の本来の部分は、次第に「の文」化して、叙事気分はいよいよ深くなり、三人称発想はますます加つて行く。
呪言の中に既に、コトバとの区別が出来て来て、其詞の部分が最神秘的に考へられる様になつて行つた。
のりとで言へばの文——第二義の祝詞に於て——即、神の動作に伴うて発せられる所謂天つのりとの類である。其信仰が伝つて、叙事詩になつても、ことばの文に当る抒情部分を重く見た。