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囓
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か
ふりがな文庫
“
囓
(
か
)” の例文
言いようのない
憂鬱
(
ゆううつ
)
が、しばしば絶望のどん底から感じられた。しかも狂犬のように執念深く、自分はこの問題に
囓
(
か
)
じりついていた。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
音もさらさらと天の眞名井の水に
滌
(
そそ
)
いで
囓
(
か
)
みに
囓
(
か
)
んで吹き棄てる息の霧の中からあらわれた神はマサカアカツカチハヤビアメノオシホミミの命
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
ここにおいて牧羊犬と猫が、懸命になって免状を捜したが、
鼷
(
はつかねずみ
)
が
囓
(
か
)
んでしまったので見当らなんだ。猫大いに怒って鼷と見れば殺して食う事となった。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
恐らくこの男は詩人ロングフェロウの言葉を聞き
囓
(
か
)
じって居たのを、大富豪ロックフェラアに結び附けて而もロックフェラアを大学者にしてしまったに相違ない。
大島が出来る話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
囓
(
か
)
まるるとも
螫
(
さ
)
さるるとも、口縄の朽ち果つるまでかくてあらんと思い定めたるに、あら悲し。薔薇の花の
紅
(
くれない
)
なるが、めらめらと燃え
出
(
いだ
)
して、
繋
(
つな
)
げる蛇を焼かんとす。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
左手を深々と内懐から帯の下にさし入れて、右手の爪をぶつりぶつりと
囓
(
か
)
み切りながら。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
そのうちに森のなかに入り込んだので、わたしは馬を降りて歩きはじめると、木の枝が柔かに私の顔をなでるのです。わたしは時どきに木の葉の一枚をむしり取って、歯のあいだで
囓
(
か
)
んだりしました。
世界怪談名作集:15 幽霊
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
音もさらさらと天の
眞名井
(
まない
)
の水で
滌
(
そそ
)
いで
囓
(
か
)
みに
囓
(
か
)
んで吹き棄てる息の霧の中からあらわれた神の名はタギリヒメの命またの名はオキツシマ姫の命でした。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
大気燄
(
だいきえん
)
である。奥歯で
囓
(
か
)
み
潰
(
つぶ
)
した
癇癪玉
(
かんしゃくだま
)
が炎となって鼻の穴から抜けるので、小鼻が、いちじるしく
怒
(
いか
)
って見える。
越後獅子
(
えちごじし
)
の鼻は人間が
怒
(
おこ
)
った時の
恰好
(
かっこう
)
を
形
(
かた
)
どって作ったものであろう。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今のはたしかに鼠ではない。せんだってなどは主人の寝室にまで
闖入
(
ちんにゅう
)
して高からぬ主人の鼻の頭を
囓
(
か
)
んで
凱歌
(
がいか
)
を奏して引き上げたくらいの鼠にしてはあまり臆病すぎる。決して鼠ではない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
囓
漢検1級
部首:⼝
24画
“囓”を含む語句
囓切
囓付
囓合