古本ふるほん)” の例文
代助はわざと新聞社宛でそれをしたからである。帰りに神田へまはつて、買ひつけの古本ふるほん屋に、売払ひたい不用の書物があるから、てくれろとたのんだ。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かれまえのように八きて、ちゃのちすぐ書物しょもつたのしんでんでいたが、このごろあたらしい書物しょもつえぬので、古本ふるほんばかりんでいるせいか、以前程いぜんほどには興味きょうみかんぜぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こんな馬鹿気た話はない。友は唯私より少し早くファウストという古本ふるほんよんだ丈の事だ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)