古城こじょう)” の例文
現にこの狩集村は、今も阿蘇郡古城こじょう村大字手野字尾籠おご小字こあざとなって存在する。人の集合する所をたまりということは普通の例である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
夜な夜な、物置ものおきやうまやの中、または青空の下の木のかげにねむったあわれな子どもが、いまは歴史れきし由緒ゆいしょの深い古城こじょうの主人であった。
それから、小林少年は、古城こじょうのような園田さんの西洋館と時計塔を、すみからすみまでしらべましたが、これという発見もありませんでした。
塔上の奇術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あるいはまた、「煬帝春游古城在。壊宮芳草満人家。〔煬帝ようだい春游しゅんゆうせる古城こじょうり。壊宮かいきゅう芳草ほうそう 人家じんかつ。〕」
なんとすばらしいしろだろう。その規模きぼの大きなこと、ローマの古城こじょうをもしのぐであろうし、その工芸美こうげいび結構けっこうはバビロンの神殿しんでんにもおとりはしない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は、燻精の手をとらんばかりにして、彼を砂地すなじの上に立つ古城こじょうへ連れていった。