“古備前”の読み方と例文
読み方割合
こびぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これが斗々屋ととやの茶碗と古備前こびぜんの水差しの破片だとおっしゃるんですか。——親分の前だが、それは大変な間違いですよ。
この熔岩の一片をとって、つくづくとその色に見いった時に、最初に頭に浮んだのは、古備前こびぜんの徳利の色であった。
黒い月の世界 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
さうさう、いつか見た古備前こびぜんの徳利の口もちよいと接吻せつぷん位したかつたつけ。鼻の先に染めつけの皿が一枚。藍色あゐいろの柳の枝垂しだれた下にやはり藍色の人が一人ひとり莫迦ばかに長い釣竿つりざをを伸ばしてゐる。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)