口外こうがい)” の例文
しようとは思わぬ。御一統の企てについては、ほかから漏れたら知らぬこと、わしからは金輪際こんりんざい口外こうがいすまい。それだけは固く約束しておくよ
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
このことを私は、今までついぞ一度も口外こうがいしたことはなかった。けれど、私の存在がもういつこの世から消え去るかも知れない今となっては、隠しておく必要もない。
それゆえに口外こうがいはなつ言語が、胸中で考えることと正反対の意味にとられることも間々ままある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
それは女房が忍んで親元へまいる処をお前に見咎みとがめられて、浅手あさでを負うたようであるが、気にする程のことはないから、このことは他へは口外こうがいしてはなりませぬ、上様は落馬以来
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
定州ていしゅう騎兵きへい衝突しょうとつ、軍事公債応募者の好況、わが艦隊の浦塩うらじお攻撃、旅順口外こうがいの激戦、臨時議会の開院、第二回閉塞運動、広瀬中佐の壮烈なる戦死、第一軍の出発につれて第二軍の編制
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)