“取棄(とりす)” の例文
御迷惑(ごめいわく)か存(ぞん)ぜぬが、靄(もや)の袖(そで)の擦合(すれあ)うた御縁(ごえん)とて、ぴつたり胸(むね)に當(あた)る事(こと)がありましたにより、お心着(こゝろづ)け申上(まをしあ)げます……お聞入(きゝい)れ、お取棄(とりす)て、ともお心次第(こゝろしだい)。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
猟人も之を見て大いに驚き怪み人に尋ねけるに、山の神なりと謂(い)ふにぞ。後の祟(たた)りも恐ろしく取棄(とりす)てもせず、其(その)まゝにして捨置きぬ。見る人も無くて腐りしが、後の祟りも無かりしとぞ。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)