)” の例文
旧字:
梅の花は天下の尤物ゆうぶつだといわれます。これをみどりの松、緑の竹に比べますと色があってこの二つに取り添うと何んとなく軟かい一脈の趣が生じます。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
而して胸中一物のねがふところなく、だ一寺の建立を願欲せしむるに過ぎざりしもの、抑も奈何いかんの故ある。
心機妙変を論ず (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
松の翠はだ色ばかりが佳いのではなく、その樹の姿がこの上もなく勢があって、その枝は四方に張り、その幹は天半に聳え立って亀ッ甲の皮をよろい、そのありさまが最も強健勇壮です。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)