半袖はんそで)” の例文
高木は雨外套レインコートの下に、じか半袖はんそでの薄い襯衣シャツを着て、変な半洋袴はんズボンから余ったすねを丸出しにして、黒足袋くろたび俎下駄まないたげたを引っかけていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わが背中見ることあたわず、四季を通じて半袖はんそでのシャツを着るように心がけましたので、少しずつ忘れて、来年は三高文丙へ受験いたします。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
古い絵をみると、はだかで大きな荷を負うた人もよく描いてあるが、たいていの荷物は突っ張ってごそごそするので、夏でもかるい子は荷摺にずりという半袖はんそでこしきりの仕事着しごとぎをきた。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
暑がりやで汗ッきの庄造は、この間の出水でどろだらけになった裏の縁鼻えんはなへチャブ台を持ち出して、半袖はんそでのシャツの上に毛糸の腹巻をし、麻の半股引はんももひき穿いた姿のまま胡坐あぐらをかいているのだが
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その時の服装は、白い半袖はんそでのシャツに、久留米絣くるめがすりのモンペをつけていました。
たずねびと (新字新仮名) / 太宰治(著)
昨日きのうまでは綿入を二枚重ねていたのに今日はあわせ半袖はんそでのシャツだけで、朝から運動もせず枯坐こざしたぎりであるから、不充分な血液はことごとく胃のために働いて手足の方へは少しも巡回して来ない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)