)” の例文
細かくってすみませんが、秦野はたの古葉ひねを二十年員としかずの並物を二十匁、甘いところで水府もの少々と蒔田物まいだものをまぜて三十匁ばかり。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ポポーヷ (ため息をつきながら、ルカーに)いいかい、ルカー、お前わすれないでね——トビーにカラス麦を五百、おまけにやるように言うんだよ。
ブラック・バス(鱒の一種)の八十ポンド(九貫)もあるのがたくさんいて、時々インディアンがそれを捕って、リノの町などにも売りにくることがあるという。
ネバダ通信 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
どっちも頭文字が同じだから書くのだが、その、わが親愛なる鳥の竹の子煮が百に付、片や七十銭、片や六十五銭と附け札が出たから、僕にとっては充分問題になるだろう。
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)
私が生まれました当時は六百あるかなしの、普通よりもズット小さな、月足らずみたような虚弱な赤ん坊だったと申しますが、それが五ツ六ツの頃からグングン伸び始めました。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
阿Qは彼に二枚の煎餅をねだり、食べてしまうと四十蝋燭のあまり物を求めて燭台を借りて火を移し、自分の小部屋へ持って行ってひとり寝た。彼は言い知れぬ新しみと元気があった。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
ごく堅い幅広はゞびろの長い石が一枚五もんめだというから、十枚では五十もんめ、百枚で五百だから、四百枚で二貫是だけも敷けば百年ぐれえは持って、草鞋の切れることもなく、貴方あんたのお得にもなり
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「こういう売り買いには、買い手のほうでなにか物を付けるのがしきたりになってるだ、豚肉の百でもいいし、夏なら西瓜すいかの三つくれえかな、うう、おめえよく舶来のタバコを吸ってるようだが」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その向って左端に同家の仏具の一たる真鍮の燭台を置き、百蝋燭一本を立てて点火したる跡あるが、後日検査の結果、点火後約二時間四十分を経て、消されたるものと推定されたり。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
カラス麦を五百、おまけにやるように言っとくれ。
大広間に置き並べられた百蝋燭ろうそくの燭台が、次から次にブッ倒れて行った。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その百蝋燭の光りの前で、新郎と差向いになったモヨ子は、初めてその絵巻物を突き付けられながら……この絵巻物を完成するために死んでくれ……という意味の熱烈な要求を受けたに相違ない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)