勝戦かちいくさ)” の例文
その顔がまた、どれもいつになく微笑を浮べているのは、西楚せいそ覇王はおうの首をあげた今日の勝戦かちいくさの喜びが、まだ消えずにいるからであろう。——
英雄の器 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
勝戦かちいくさのおかげで、港も仕事の増える目安がついて、これから忙しゅうなるんじゃが、そこに、また、別の心配がある。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
大阪城の落ちた時の、木村長門守の思切ったようなのだといけれど、……勝戦かちいくさのうしろの方で、矢玉の雨宿あまやどりをしていた、ぬくいのらしい。御覧なさい。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
師泰もろやす帯刀たてわきの両将が、勝戦かちいくさのよしを言上ごんじょうのため、つぼの内へ来て、さしひかえておりますが」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呂布はその日正面の野戦で曹操の軍をさんざんに破っていたので、勝戦かちいくさおごり、陳宮が
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と強く記憶させた、新興の藩力と勝戦かちいくさの意気を持った領土である。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝戦かちいくさのあとの兵糧——その味はまたかくべつ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)