刺止しと)” の例文
こんどこそ弦之丞めを刺止しとめてしまわねば、絶大な恥辱じゃ。近く同志の公卿くげや、西国さいこくからも諸大名の密使が、ある打合せのために、徳島城へ集まろうとしている。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生れて初めての強敵を刺止しとめし事とて、ほつと一息、長き溜息しつゝ、あたり見まはす折しもあれ最前の若衆、血飛沫ちしぶき乱れ流れたる明障子あかりしやうじさつと開きて走り寄り、わが腰衣こしごろもに縋り付きつゝ
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さりながら、大月玄蕃だけは、かならず私の腕にて刺止しとめ申す自信これ有り候ゆえ、お身ご不自由なる兄上様は郷里月巣庵にてご安養のほどひたすらねがい上げ奉り候
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
弓箭きゅうせん鳳尾槍ほうびそうをもった禁門の武士がかけつけて、青蛇を刺止しとめんとしたところが、突如、ひょうまじりの大風が王城をゆるがして、青蛇は雲となって飛び、その日から三日三夜
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
法月弦之丞のりづきげんのじょう刺止しとめるまでの目的だろうに、わらじ、野袴のばかま編笠あみがさという、本格の支度をしているのは天堂一角だけで、周馬は笠なし、お十夜は、笠もわらじも嫌いだといって
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何をしているのか天堂一角、刺客しかくとなってかれをつけて行きながら、いまだに刺止しとめることができぬらしい。——それをみても、弦之丞と申すやつは、一癖あると見えまする」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「身に代えて刺止しとめまする」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ついに刺止しとめた!
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)