制裁せいさい)” の例文
左樣さやうさ、一旦いつたん無事ぶじ本國ほんごくかへつてたが、法律ほふりつと、社會しやくわい制裁せいさいとはゆるさない、嚴罰げんばつかうむつて、ひどつて、何處いづくへか失奔しつぽんしてしまいましたよ。
通信科の兵隊を集めての故もない制裁せいさいの場における、彼の偏執的な挙動きょどうを、私は瞼の裏にまざまざと思い浮べていた。それは、二三日前のことであった——
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
そりや女の驕慢けうまん根性こんじやうに對する自然の制裁せいさいさ。ところで嬰兒あかんぼに乳を飮ませるのがえらいかといふに、犬の母だツて小犬を育てるのだから、これも自慢じまんにはならん。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
またよしかくのごとく冷淡に法律的制裁せいさいのみによりて動くほどに堕落だらくしなくとも、夫婦間に報酬ほうしゅう的思想をもってつきあったとしたら、その間にいかなる社会が出来るであろうか。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)