ワケ)” の例文
たけ・わか(稚)など、性格表示と、讃称とを兼ねた語頭の語が、語尾に廻ると、「……タケル」「……ワケ」と言ふ風に、古いカバネのやうな感覚を持つて来る。
日琉語族論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
更に、推量の歩を進めれば、賀茂のワケ雷神のわけには、若といふ意が、含まつて居はすまいか。神名帳に、賀茂別雷神社、亦若雷とあるのは、有力な証拠である。
わかしとおゆと (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
正式に言へば、皇子の為のものは、別部ワケベと言ふべきであつたらう。皇子尊が、宮廷の聖なる侯補としての位に備られた為に、日置部同様、ワケの部民が出来たのだ。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ひじきわけの女と言ふのは、歴代ひじきワケなる称号によつて聖職に事へる名族が、伊勢にあつた事を意味する。さうして、宮廷に出て来る巫女が、其当主の娘といふ資格で見参したのである。