分岐点ぶんきてん)” の例文
さて、もうここまで事が運べば、それなる達磨だるまを好いた花魁おいらん薄雪の来るか来ないかが、右門の解釈と行動の重大なる分岐点ぶんきてんです。
それであればこそ路傍ろぼう耳朶じだに触れた一言が、自分の一生の分岐点ぶんきてんとなったり、片言かたことでいう小児しょうにの言葉が、胸中の琴線きんせんに触れて、なみだの源泉を突くことがある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そのうえに、線路が悪いせいか又は分岐点ぶんきてんだの陸橋りっきょうなどが多いせいか、窓外から噛みつくようなガタンゴーゴーとやかましい騒音が入って来て気味がよろしくない。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
場所は、野尻湖のじりこの東南で、越後信州の国境にあたり、山地ではあるが、北するも、西するも、南するもここを分岐点ぶんきてんとする交通の要衝ようしょうで、わりたけの嶮にって、越後勢のたてこもっている一じょうがある。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
車輪が分岐点ぶんきてんと噛み合っているらしくガタンガタンと騒々そうぞうしい音をたてたのと、車輌近くに陸橋のマッシヴな橋桁はしげたがグオーッとれちがったのとが同時だった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)