凾館はこだて)” の例文
また時には五日七日くらいの碇泊ていはく期間を親子三人凾館はこだてに泊ったり、半月もの滞在となれば部屋を借りたりなどして暮しました。
おるすばん (新字新仮名) / 壺井栄(著)
初めて杖を留めた凾館はこだては、北海の咽喉のどといわれて、内地の人は函館を見ただけですでに北海道そのものを見てしまったように考えているが、内地に近いだけそれだけほとんど内地的である。
初めて見たる小樽 (新字新仮名) / 石川啄木(著)
ことわたくし櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさとは面識めんしき間柄あひだがらで、數年すねんぜんことわたくしがまだ今回こんくわい漫遊まんゆうのぼらぬ以前いぜん、あるなつ北海道旅行ほくかいだうりよかうくわだてたとき横濱よこはまから凾館はこだておもむ滊船きせんなかで、はからずも大佐たいさ對面たいめんしたことがある。