“凾嶺”の読み方と例文
読み方割合
はこね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小田原へ着いたのは丁度六つ少し前、飛脚馬も、伊勢詣りも、武家も町人も、大抵たいていは其處で泊りました。凾嶺はこねまでは四里八町、夜道には少し遠過ぎます。
二人は銘々めい/\に支度をして、そつと旅籠屋を拔出したのは、それから間もなく、闇の小田原街道を、手に手を取るやうな心持で、凾嶺はこねの三枚橋を渡りました。
何の用事で凾嶺はこねへ來たか、それはよく解つて居ますよ、——大公儀から、駿府すんぷへ送る御用金が六千兩、二千兩の箱が三つ、馬に積んで、井上玄蕃樣が宰領さいりやうをして、わざと大袈裟おほげさな守護はつけず