凹凸でこぼこ)” の例文
凹凸でこぼこした道を辛うじてのぼつて来た一台の自動車は、椅子だのていぶるだの腰掛だのをいくつとなくそこに下した。
浴室 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
これは生で美味しくありませんが今のようにして煮ると色が紅くって味も良くなります。そのほか支那で出来る蟠桃はんとうといってかしらの方が凹凸でこぼこしていて大層大きな桃があります。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
此樹の下から左に折れると凹凸でこぼこの劇しい藪路、それを東に一町ばかりで、天神山に達する。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それらをぜあわすのがなかなか厄介であり、それからうまく交ざった後は、早いところ塗ってしまわないと、直ぐ固まってしまうのだった。つい凹凸でこぼこが出来たり、ひびや筋が入る。
東京要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
鼻の高さとか、顔の凹凸でこぼこは片眼をつぶって見れば、明らかに分かるのであります。
墓地の殺人 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
凹凸でこぼこ石高路いしだかみち その往還を左右から挾んだ低い茅葺屋根が、凡そ六七十もあらう。の家も、何の家も、古びて、穢なくて、壁が落ちて、柱が歪んで、隣々にのめり合つて辛々やう/\支へてる樣に見える。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)