凱陣がいじん)” の例文
いわばはえある凱陣がいじんの将、拙者も万吉もほかの者も皆、御同道申しあげよう。ぜひとも、それは御自身で江戸表へ
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝高は異国の敵を撃破うちやぶって帰った。彼は凱陣がいじん家土産いえづととして百人の捕虜をいて来た。飛騨の国人くにびとは驚異の眼を以て、風俗言語の全くことなれる蒙古の兵者つわものを迎えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
さむらいとしての冥加みょうがは申すまでもない、おれは身命を棄てて存分にはたらくつもりだ、そしてもし武運にめぐまれ万一にも凱陣がいじんすることができたなら、必ず和地の家名をあげ
日本婦道記:春三たび (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
一方の指揮となれば其任いよいよ重く、必死に勤めけるが仕合しあわせ弾丸たまをも受けず皆々凱陣がいじんの暁、其方そのほう器量学問見所あり、何某なにがし大使に従って外国に行き何々の制度能々よくよく取調べ帰朝せば重くあげもちいらるべしとの事
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)