再来年さらいねん)” の例文
旧字:再來年
とは衆議しゅうぎの一致するところで、会社銀行の使用人になりたがるものが一番多い。中には家があつらえ向きに商家だから、再来年さらいねん卒業するともう直ぐ儲けに取りかかる決心のものもある。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
若い男 なあにまだ来年ということはねえ、再来年さらいねんだとていいさ。なあ大工さん、そうだろうが。(船の中へ向って話しかける、が、答えはなくて、マキハダかます打つ音のみする)
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
わたしは、そのうちふねがこのみなとはいったときに、それにっておくにりますよ。また、しばらくは、おにかかりません。来年らいねんなつ再来年さらいねんなつも、おくにへはこないつもりでございます。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
南家で持って居た藤原の氏上うじのかみ職が、兄の家から、弟仲麻呂—押勝—の方へ移ろうとしている。来年か、再来年さらいねんの枚岡祭りに、参向する氏人の長者は、自然かの大師のほか、人がなくなって居る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
貫一は何処どこでこの月を見るのだか! 再来年さらいねんの今月今夜……十年のちの今月今夜……一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ! 可いか、宮さん、一月の十七日だ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
来年なり再来年さらいねんなりこちらに来たいと思うて居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
再来年さらいねんもたのむ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)