内膳ないぜん)” の例文
不破小四郎を取り囲んで、朽木くちき三四郎、加島欽哉きんや、山崎内膳ないぜん、桃ノ井紋哉もんや、四人の若武士ざむらいが話しながら、こっちへ歩いて来るのであった。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「長頼は、先鋒せんぽうに立て。利秀としひで内膳ないぜんは第二隊に。第三隊には、利益とします光之みつゆき与三郎よさぶろうなどをもって組み、第四隊は、利長としながの手勢にまかすぞ」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お民は森夫や和助を呼んで羽織袴はおりはかまに着かえさせ、内膳ないぜん課の料理方へ渡す前にわざわざ西から取り寄せたという鮮魚のさらに載せたのを子供らにも取り出して見せた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おやじの骨董じまんに閉口したのだろう、と平五は思っているが、今年はさらに減って五人しか来なかった。平河町の森内膳ないぜん。神谷町の木下杢之助。薬師小路の土方市之丞いちのじょう。田村小路の新庄主殿。
末っ子 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そのうちに、急を知った尾山城では、ただちに不破ふわ彦三、片山内膳ないぜんなどの騎兵隊七十名を、応援に急がせた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
内膳ないぜんに会えと申せ、隼人はやと、あとを聞こう」
山崎内膳ないぜんという若武士である。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼もまた流浪るろうして、伯耆国ほうきのくにの横田内膳ないぜん飯山いいやま城に身をよせていたが、偶〻たまたま、その内膳は、主筋にあたる中村伯耆守ほうきのかみに殺害され、飯山城は伯耆守の手勢にとり囲まれるところとなった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)