入水じゆすい)” の例文
途上ニ会フモ道ヲ避ケテ通レル事、何カノ川柳ニ見及ビタル事アリ、小生ノ宅ノ筋向フノ淵下(明治八、九年迄)毎夏入水じゆすいノ女アリシ、小生何事モ知ラズ走リ行キ見ルニ
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
る、宮は行き行きて生茂おひしげる柳の暗きに分入りたる、入水じゆすいの覚悟にきはまれりと、貫一は必死の声をしぼりてしきりに呼べば、咳入せきいり咳入り数口すうこう咯血かつけつ斑爛はんらんとして地にちたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
このほどのことかゝんもくだ/\しや大音寺前だいおんじまへにてめづらしきこと盲目按摩めくらあんまの二十ばかりなるむすめ、かなはぬこひ不自由ふじゆうなるうらみてみづいけ入水じゆすいしたるをあたらしいこととてつたへるくらゐなもの
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
このほどの事かかんもくだくだしや大音寺前にてめづらしき事は盲目按摩めくらあんまの二十ばかりなる娘、かなはぬ恋に不自由なる身を恨みてみづの池に入水じゆすいしたるを新らしい事とて伝へる位なもの
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)