先々さきざき)” の例文
むかし源氏げんじ武士ぶしいくさに出るとき氏神うじがみさまの八幡大神はちまんだいじんのおとなえるといっしょに、きっと先祖せんぞ八幡太郎はちまんたろうおもして、いつも自分じぶんかって行く先々さきざきには
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
歩いて行く先々さきざきにぷつんと杜切れる虫の音は、その突然の空虚むなしさで凡太の心をおびやかして、その激しい無音状態がむしろうるさく堪えがたい饒舌に思はれてくる
黒谷村 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
何か日本に仕事はないか、どうかして一緒に連れていっれないかと、ソリャもう先々さきざきでうるさいようにう者はあれども、ついまれと云うことをただの一度もいった人はない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ねたましくそのこゑを聞く旅商人たびあきびとは行く先々さきざきちぎりをむすぶ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)