しらせ)” の例文
「むかしから雪中に虎に遭うの夢は不祥のしらせとしてある。もしや上洛中の大殿とう将軍の君に、何か凶事でも起ったのではなかろうか」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「俺は七十になるが、まだこんな不思議なことに逢ったことはない、奇体なことじゃ、これは何かのしらせと思われる」
不動像の行方 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
いろいろわるしらせがございました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
いまから五十年前——まだ桓帝かんてい御宇ぎょうの頃です。遼東の人で殷馗いんきという予言者が村へきたとき申しました。近頃、いぬいの空に黄星こうせいが見える。あれは五十年の後、この村に稀世の英傑が宿するしらせじゃと。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)