側眼わきめ)” の例文
送るさま側眼わきめで見てさへ不便ふびんなるに子の可愛かあいさの一筋に小半年ほどすごせしが妻のお久が病中より更に家業も成ぬ上死後しご物入ものいり何ややに家財雜具を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もう御神酒おみきがまはつたと見えて、小鬢こびんの禿まで赤くしながら、さすがにちつとは恥しいのか、なるべくおれの方を見無えやうに、側眼わきめばかり使つてゐやがる。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
私は四十起氏の跡につきながら、滅多に側眼わきめもふらない程、恐る恐る敷石を踏んで行った。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)