保姆ばあや)” の例文
「あれが奧さんですか、保姆ばあやさん?」とロイド氏がいた。「私は、歸る前に、奧さんにお話がしたいのですが。」
おゝ、おかへりになりましたとも、そして今頃いまごろは、あの保姆ばあやや、番頭ばんとうのスミスさんなんかに、おまへ温順おとなしくおふねつてことはなしていらつしやるでせう。
大君の御膝下おひざもと、日本の中枢ちゅうすうと威張る東京人も、子供の様に尿屎ししばばのあと始末をしてもらうので、田舎の保姆ばあやの来ようが遅いと、斯様に困ってじれ給うのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
私はそれから一足出るにも、皆保姆ばあやをつけられるのです。その隙を見てやっとまいりましたから、申しあげたいこともありますが、精しいことはいっていられないのです。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「‘C'est là ma gouverrnante?’(この方あたしの先生なの?)」と彼女は私を指して、保姆ばあやいた。その人は答へた。
あの保姆ばあやは外國人でございます。それからアデラ樣は大陸でお生れなすつたので、六ヶ月前までは、きつと大陸をお離れになつたことはないと存じます。