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余憤
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よふん
ふりがな文庫
“
余憤
(
よふん
)” の例文
「たぶん江戸へ来れば、何かよいことでもあるように思ってきたんだろうが」と、勘平はまだ
余憤
(
よふん
)
が去らないように、一人でつづけた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
のみならず道に敷いた石炭殻も
霧雨
(
きりさめ
)
か露かに
濡
(
ぬ
)
れ
透
(
とお
)
っていた。僕はまだ
余憤
(
よふん
)
を感じたまま、出来るだけ足早に歩いて行った。
死後
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いくらなじっても、なじりがいのない相手ではあったが、その業腹の
余憤
(
よふん
)
をもって、立ちがけにこう訊ねた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二階には
上
(
あが
)
ったが、隆太郎
余憤
(
よふん
)
が晴れないと見えて、窓の障子紙をぴりぴりぴりと裂き初める。だが、こちらは
堆
(
うずたか
)
く持って出された画帖や色紙や短冊をそうはばりばりとやる訳にはゆかない。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
今もなおこの幕臣の
髷
(
まげ
)
の中には、旗本柔弱なりと叱られたそのときの
余憤
(
よふん
)
がこもっているのか、わけても太い奴を横ざしにぶっ差して、目の光りのうちにも、
苛々
(
いらいら
)
とした反抗のいろが強かった。
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
余憤
(
よふん
)
は、院の法皇にすら向けられて、西八条は、夜明けにかけて、いよいよ兵気が
旺
(
さかん
)
になる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
年とった支那人はこう言った
後
(
のち
)
、まだ
余憤
(
よふん
)
の消えないように若い
下役
(
したやく
)
へ話しかけた。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
正保、慶安は、すこし
乱兆
(
らんちょう
)
すら見えた。戦国の残存者の
余憤
(
よふん
)
であった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを
睨
(
にら
)
めすえながら、利家はなお
余憤
(
よふん
)
のさめぬような語気で云った。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
東儀与力はまだ
余憤
(
よふん
)
がしずまらないで
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“余憤”の意味
《名詞》
静まらないで残っている怒り。
(出典:Wiktionary)
余
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
憤
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
“余憤”で始まる語句
余憤勃々