何処迄どこまで)” の例文
旧字:何處迄
それに、性質が、今の家内のやうにかん気では無かつたが、そのかはり昔風に亭主に便たよるといふ風で、何処迄どこまでも我輩を信じて居た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
………見渡す限り、ひとすじの川の縁に沿うて、何処迄どこまでも何処迄も、果てしもなく両岸から飛び交わすのが見えた。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
故に私が改めて貴公に頼むは、何うか隠密おんみつになってお国表へ参って、貴公が何うか又市を取押えて呉れんか……照お前は何処迄どこまでも又市をたずねて討たんければならぬが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長塚君の書き方は何処迄どこまでも沈着である。其人物は皆ありままである。話の筋は全く自然である。
とても世間の荒波の中へ放り出せるような人ではないから、われわれが何処迄どこまでも面倒を見、しかるべき順序をんで良縁を求めてやらなければならず、そうなれば又、血統とか
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
六魚、七虞、八斉、九佳、十灰と云った様に何処迄どこまでも漢学的であった。
落第 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そらつくない、正直にいってしまいな、手前てめえが鼻薬を貰って、一角に頼まれて旦那を引き出したといってしまえば、命ばかりは助けてやる、相手は一角だからかたきを打たせる積りだが、何処迄どこまでも隠せば
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一旦約束したから変替へんがえは出来ぬと云うので、仕方がないからわたくしは養子をする気はない、どんな事が有っても自分が約束したからは何処迄どこまでも強情を張る積りだが、お父様が腹を切るのなんのと云うから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)