休憩きゅうけい)” の例文
わたしはまた土地をたがやしたことがあったが、勤労きんろうによって土地にまるで休憩きゅうけいをあたえないまでに耕作こうさくつづけるということを知らなかった。
おまえ大庭おおばさんがギュウギュウ質問したもんだから、困りやがって休憩きゅうけいにしやがった、さあおもしろい、お父さんがいるか
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
彼女は休憩きゅうけい時間にもシュミイズ一枚着たことはなかった。のみならずわたしの言葉にももの憂い返事をするだけだった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その休憩きゅうけい時間中に内藤堀口の喧嘩が同級生ぜんたいに伝わった。いつのまにか正三君のまわりに十数名が集まっていた。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
椅子にかけての琴、三絃さみせんは、見るにあぶなく、弾きにくゝはあるまいかと思われた。三曲んで休憩きゅうけいになった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
雨の降るのを幸いに十三日一日は宿に閉籠って休憩きゅうけいをして、その次の十四日には雨もれたから、加藤木下両氏と共に多少の散歩をした位で、十五日になってから
利尻山とその植物 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「お二人さん。お気の毒ながら、その室で少し休憩きゅうけいしていて下さい。いずれのち程、お迎えに誰かを寄越よこします。一秒を争うので、少し荒っぽい方法で失礼ですが……」
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ここまでするには、みんなずいぶんほねった。一時間と休憩きゅうけいするひまなしにはたらいたし、日曜日でも休まなかった。
そのつぎの休憩きゅうけい時間に堀口生は正三君とすれちがいさま、帽子をはらいおとした。喧嘩はいつもこの手でしかける。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「茶釜はひとまず休憩きゅうけい絶景ぜっけいかな、絶景かな、げに春のながめは一目千金ひとめせんきん……」
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
休憩きゅうけい時間には運動場へ出ることになっている。しかし生徒はいろいろの都合からとかく教室に残りたがる。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ほんとうを言うと、わたしたちははたらいてつかれるということはなかった。わたしたちにも休憩きゅうけいの時間も遊ぶ時間もあった。むろんそれは短かったが、短いだけよけいゆかいであった。
まあいちばんよく教えてもちったのは、休憩きゅうけいの時間で、木の根かたや、小砂利こじゃりの山の上や、または芝生しばふなり、道ばたの草の上が、みんなわたしの木ぎれをならべるつくえが代わりになった。