仲裁ちうさい)” の例文
それから三日たないうちに、娘のお玉は用事があつて下女のお淺と共に下町へ出かけ、下男の爲吉も、何んかの使ひに出かけると、横井源太郎と打越金彌は、何の邪魔も仲裁ちうさいもなく
みなみ亭主ていしゆ殊更ことさらかれ同情どうじやうして慰藉ゐしや言辭ことばをしまぬほどそのこゝろうごかされなかつたのみでなく、かれむし仲裁者ちうさいしや地位ちゐたねばらぬことに幾分いくぶん迷惑めいわくかんじた。勘次かんじけつして仲裁ちうさい依頼いらいしなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)