事務所じむしょ)” の例文
技師ぎしは、わたしがのぞむなら、事務所じむしょで仕事を見つけてやると言った。ガスパールおじさんも鉱山こうざんでしじゅうの仕事をこしらえようと言った。
仕事しごとのいそがしいからだで、そんなところへゆけるものか? わたしは、あのビルディングの五かい事務所じむしょで、なつごすつもりだ。」と、こたえました。
夏とおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
光吉こうきちのかたい決心に動かされて、母はかれをつれて、二かいのマーケットの事務所じむしょへあがっていった。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
糟谷は事務所じむしょの入り口で小使こづかいを見た。小使はいつもていねいにあいさつするのだが、けさはすぐわきをとおりながらあいさつもせずにいってしまった。糟谷かすやはいやな気持ちがした。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「私は、今事務所じむしょから、こちらではたらけと云われてやってまいりました。」
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
事務所じむしょの人は、測量そくりょうするような目で光吉こうきちをながめてから、そばに立っている母にいった。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
いよいよグレッス・アンド・ガリー事務所じむしょの戸口に立ったとき、わたしはずいぶんはげしく心臓しんぞう鼓動こどうした。それでしばらくマチアに気のしずまるまで待ってもらわねばならなかった。
事務所じむしょへ泊りました。」
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
鉱山こうざん事務所じむしょへ行くと、わたしたちはアルキシーのおじさんのガスパールのいる所を教えられた。それは山から川へつづく曲がりくねった町の中で、鉱山からすこしはなれた所にあった。