“丑満刻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うしみつこく50.0%
うしみつどき50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時間の関係からいえば、上野の鐘が十二時で、この鳥の一声ひとこえが三時だから、所謂いわゆる丑満刻うしみつこくというのでは無いが、どうもしかしおだやかで無い。
白い光と上野の鐘 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
すべてこのだろうの上に成立する話であるが、まアざッとそういうような話で、その刻限はあだかもその向うに見ゆる学士会院の屋上にそびえている時計台の時計が二時を報ずる所謂いわゆる丑満刻うしみつこく
不吉の音と学士会院の鐘 (新字新仮名) / 岩村透(著)
猫蔦ねこつたの茂るにまかせた見るからにすさまじいさながらの廃墟、時刻はあたかも丑満刻うしみつどき、万籟寂として滅し、聴えるものはホイホイというなにやら怪しい物音ばかり。
二人の従者も酒に酔って、庭向きのひさしの下にッかかったまま性体しょうたいもない。深沈しんちんと夜はけに、更けて行き、まさにむねも三寸下がるという丑満刻うしみつどき人気ひとけない冷たさだけが肌身にせまる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)