下民かみん)” の例文
しかるにいま一時の術を用いて下民かみんぎょしその知徳の進むを待つとは、威をもって人を文明にゆるものか、しからざれば欺きて善に帰せしむるの策なるべし。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しからば下民かみんすくいこうむかみの大利とならん。その大益俗諺ぞくげんの如く、両の手にき物を得たるものというべし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ことに下民かみんの情によく通じ、そうして民意をれ民心を収攬しゅうらんすることにつとめ、また法律を正しゅうしてほとんど賄賂わいろをもって事を扱うことが出来ぬような果断かだんの処置をやる方ですから
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
今の日本の有様にて、今の小学校はただ、下民かみんの子供が字を学び数を知るまでの場所にて、成学の上、ひと通りの筆算帳面のつけようにてもできれば満足すべきものなり。
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)