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上背
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うわぜい
ふりがな文庫
“
上背
(
うわぜい
)” の例文
姉は幸子より又一層
上背
(
うわぜい
)
があり、小柄な義兄と並んで歩くと姉の方が高く見えるくらいであったが、それだけに
四肢
(
しし
)
の肉づきもゆたかで
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
無論、それと気がついて
怯
(
ひる
)
む金吾ではありません。おのれッとおめいて、うしろへとびつくが早いか、
上背
(
うわぜい
)
のある相手の体へ組みついて
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上背
(
うわぜい
)
もたっぷり、小肥りの堂々たる越前守忠相とがならんで、双方すり足でお次の間へはいってくるところは、その珍妙なこと、とうとう八代様をふきださせて
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「全く、相撲にもあのくらいのは、たんとありません、まず横綱の陣幕と比べて、
上背
(
うわぜい
)
はホンの少し足りないかも知れないが、横幅は、たしかにあれ以上ですね」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
あの
騙児
(
かたり
)
め、
上背
(
うわぜい
)
といい、お
面
(
めん
)
といい、男っぷりといい、——ちょいと水際だっておりますからねえ。
ムツェンスク郡のマクベス夫人
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
▼ もっと見る
可
(
か
)
なり
上背
(
うわぜい
)
のある婦人で、クッションのように
軟
(
やわらか
)
くて弾力のある肉付の所有者だった。銃丸は心臓の丁度真上にあたる部分を射って、
大動脈
(
だいどうみゃく
)
を破壊してしまったものらしい。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
銀子は
撫
(
な
)
で肩の肩が少し厚ぼったく、
上背
(
うわぜい
)
もなかったが顔は彼女の型なりに完成美に近く、目も美しく、鼻も
覗
(
のぞ
)
き気味で尋常であった。鼻の下の詰まったところにも意気味があった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
と、愛馬の
頭
(
こうべ
)
をめぐらした。
上背
(
うわぜい
)
のある、たくましい栗毛の四歳馬である。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「云ってみれば山の女神だ。肉附きがよくて
上背
(
うわぜい
)
があって、とても清浄で別嬪だ。自然から産まれた
生粋
(
きっすい
)
の処女! そうだなあ、あの娘が、裸体になって踊ろうものなら、俺だってひとたまりもなくフラフラするよ」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
欠点を云へば
上背
(
うわぜい
)
の足りないことだけれども、小柄で、程よく肥えてゐるのが、娘々して、あどけなくさへ見えるのであつた。
青春物語:02 青春物語
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それはむしろ、暴ともいうべき
鍔競
(
つばぜ
)
りをしかけて、いきなり金吾を押して来ました。場なれのした彼の大胆と、その
上背
(
うわぜい
)
から押してくる圧倒です。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女は
華車
(
きゃしゃ
)
づくりで
上背
(
うわぜい
)
もあり、後ろ姿のすっきりした女だったが、目が細く鼻も小さい割に口の大きい、あまり
均齊
(
きんせい
)
の取れない
長面
(
ながおもて
)
で、感じの好い方ではなく、芸もいくらか下地はあったが
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
背
常用漢字
小6
部首:⾁
9画
“上背”で始まる語句
上背丈