上田秋成うえだあきなり)” の例文
上田秋成うえだあきなりが『西湖佳話せいこかわ』の中の『雷峯怪蹟らいほうかいせき』をそっくり飜案して蛇性のいんにしたのとははなはだしい相違である。
怪譚小説の話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
白峯紀行の西行法師のほかに、時代は江戸に下るが、「雨月物語うげつものがたり」の筆者の上田秋成うえだあきなりも、こんぴら詣りか、四国めぐりの旅すがら、この白峯へ登ったことがあるように思われる。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、上田秋成うえだあきなりはあの時分の作家だから、こういう題材を扱っても、お座なりの道徳的訓戒をくっつけるくらいで、何でもなしに事件と光景を描叙するだけであったであろう。
武州公秘話:02 跋 (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
しかし、上田秋成うえだあきなりはあの時分の作家だから、こういう題材を扱っても、お座なりの道徳的訓戒をくっつけるくらいで、何でもなしに事件と光景を描叙するだけであったであろう。
上田秋成うえだあきなりの「雨月物語うげつものがたり」のうちに「蛇性じゃせいいん」の怪談のあることはたれも知つてゐるが、これは曲亭馬琴きょくていばきんが水戸にいた人から聞いた話であるといふことで、そのおもむきがやゝ類似してゐる。
梟娘の話 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
すなわち池田亀鑑いけだきかん氏の調査によれば、ここの本文が「ひゝ」とあるのは上田秋成うえだあきなりの校本だけであって、中村秋香なかむらしゅうこうの『落窪物語大成』には「ひう」とあり、伝真淵まぶち自筆本には「ひと」とあり
駒のいななき (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
雨月物語うげつものがたり」は、安永五年(一七七六)に出版された、五巻五冊、全九話を収めた、いわば短篇小説集で、著者は上田秋成うえだあきなりであり、これを近世小説のジャンルでいえば読本よみほんとよばれるものであるが
雨月物語:04 解説 (新字新仮名) / 鵜月洋(著)
雨月物語うげつものがたり」は、安永五年(一七七六)に出版された、五巻五冊、全九話を収めた、いわば短篇小説集で、著者は上田秋成うえだあきなりであり、これを近世小説のジャンルでいえば読本よみほんとよばれるものであるが
この『蛇性の婬』の話は、上田秋成うえだあきなりの『雨月物語うげつものがたり』の中でも最も傑出したものとせられているが、しかし、これは秋成の創作でなしに支那しなの伝説の翻案である。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)