万有ばんゆう)” の例文
旧字:萬有
要するに万有ばんゆうを支配する力のまにまに受動的じゅどうてきに動きながら、それが主動的であるように夢を見ているらしい。ここに一種のバカが発生はっせいするわけであろう。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
陰陽いんようむすびは宇宙うちゅう万有ばんゆうってもれぬとうと御法則みのり、いかにたか神々かみがみとてもこの約束やくそくからはまぬがれない。ただその愛情あいじょうはどこまでもきよめられてかねばならぬ。
愛はまよいである。またさとりである。愛は天地万有ばんゆうをそのうちに吸収して刻下こっかに異様の生命を与える。ゆえに迷である。愛のまなこを放つとき、大千世界だいせんせかいはことごとく黄金おうごんである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼の節——ああもしこれらも肉とともに消ゆるならば、万有ばんゆうは我らに誤謬を説き、聖人は世を欺けり、余は如何いかにして如何なる体を以て如何なる処に再び彼を見るやを知らず、ただ
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)