一纒ひとまと)” の例文
富森助右衛門が、帯に入れる鎖、呼笛、鎖鉢巻、合印の布などの一纒ひとまとめにしたのを、配って歩いた。そして、吉右衛門の前へくると
寺坂吉右衛門の逃亡 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
柿の葉をカシワに用いるなどはその一つであり、またこの供物ばかりは散乱を慎んで、一纒ひとまとめにしてこれを流すというのにも意味があろう。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
やがて一纒ひとまとめにされて、明智勢の手でらっし去られた女たちの中には、阿能局おのうのつぼねなる女性はいなかった。ほとんど奥仕えの侍女や雑婢ぞうひたちに過ぎない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
余は其中そのうちから子規が余に宛てゝ寄こした最後のものと、それから年月の分らない短いものとを選び出して、其中間に例の畫を挾んで、三を一纒ひとまとめに表裝させた。
子規の画 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其の前は常磐橋ときわばし御門から道三橋どうさんばしの近辺を柳町やなぎまちといって、又鎌倉河岸に十四五軒あって、麹町こうじまちにもあり、方々にちらばって居たのを、今の吉原へ一纒ひとまとめにしたので、吉原というのは
それが一纒ひとまとめ千石で、よろこんでお召抱えに応じたと聞えては、馬の沓を作っていたことが、真からさもしいことになろう。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みんな長くは持たない人ばかりださうですと看護婦は彼等の運命を一纒ひとまとめに豫言した。
変な音 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)