一心不乱いっしんふらん)” の例文
旧字:一心不亂
見れば、うしろの車には、ひとりのおまわりさんが、および腰になって、一心不乱いっしんふらんに前方を見つめ、何か大声にわめいているではありませんか。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
蛾次郎はいもくしをほうりだして、げるわ逃げるわ、むちゅうでにげた——一心不乱いっしんふらんに、あかるいほうへかけだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一機のロケット砲室では、山形警部が一心不乱いっしんふらんに、目の前のスクリーンをのぞいている。その上には、X号をのせたロケットの像がうつりはじめた。警部は必死に照準しょうじゅんをあわせた。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
じいさんからそう注意ちゅういされるまでもなく、わたくしはもう先刻さっきから一心不乱いっしんふらんふか統一とういつはいって、黒雲くろくもなかにらみつめてたのですが、たちまち一体いったい竜神りゅうじん雄姿ゆうしがそこにあざやかに見出みいだされました。